ニキビを治すには、考えられる原因を探り、問題点を改善するか、原因を一つ一つ消去していくことが近道です。
ニキビを早く治すには、なにより早期のケアが重要です。
化膿するまで悪化したニキビ(黄ニキビ)になると、ホームケアでは手に負えなくなりますし、ニキビ跡(凹凸、クレーター)や色素沈着の原因になります。
ニキビの原因は、皮脂とか、アクネ菌、毛穴詰まりなど色々ありますが、ここで詳しく掘り下げてみていきたいと思います。
ニキビの直接的な原因は?
ニキビに直結する原因は
- 毛穴のつまり
- 皮脂過剰
- 細菌(アクネ菌など)
毛穴が塞がれると、毛穴から外に出るはずの皮脂がたまります。
そして、初期段階の白ニキビが出来、皮脂をエサにするアクネ菌が増殖していくとニキビは悪化していきます。
ニキビは皮膚疾患の一つで、程度の差こそあれ、ほとんどの人が出来たことがあるのではないでしょうか。
ニキビが出来るいくつかの原因は、遺伝(体質)的なことが多いようです。
毛穴つまりはなぜ起こる?
ニキビが出来やすい人は、肌表面(角質)が硬くなりやすい傾向にあると言います。
肌表面の角質が硬くなるのは、ターンオーバーが正常に働かなくなり、不要になった古い角質が肌にとどまり、積み重なって厚くことが主な原因です。
古い角質が剥がれ落ちず積み重なることで、毛穴周辺の角質が厚くなると、毛穴を塞ぎ、毛穴詰まりが起こります。
過剰な皮脂分泌が起こる原因
思春期になると、ホルモンバランスの変化から、皮脂過剰になってニキビが出来やすくなります。
20代になり、ホルモンバランスが安定してくると、この思春期ニキビは落ち着いてきます。
思春期ニキビが過ぎ、大人になってから出来るニキビは、思春期ニキビとは違いますが、性ホルモンはやはり関りがあります。
これには、遺伝的要素や体質によるものが大きいかもしれませんが、それだけでは片づけられないですね。
過剰な皮脂分泌が起こる原因として考えられること
- 性ホルモンの過活動
- 食べ物
- 乾燥
性ホルモンの過活動からくる皮脂過剰
男性ホルモン(アンドロゲン)の影響
ニキビの原因になる皮脂過剰は、男性ホルモンが影響していると言われています。
女性にも、男性ほどではないけれど、男性ホルモン(アンドロゲン)は存在します。
正常な範囲でバランスがとれていればいいのですが、この男性ホルモンが過多になると、皮脂の分泌が盛んになります。
男性ホルモンの感受性が高いのは、その人が持つ遺伝子情報(体質)によるところが大きいそうです。
でも、それだけではなく、ストレスや食生活も影響します。
炭水化物や糖質を摂り血糖値が上がると、膵臓から分泌されるインスリンの働きで、ブドウ糖をエネルギー源として利用します。
でも、摂りすぎると、インスリンの過剰分泌の原因になります。
血糖負荷の高い食べ物はインスリンの過剰分泌の原因となり、これによってインスリン様成長因子(IGF-1)と呼ばれるホルモン濃度が高くなります。
IGF-が過剰になると雄性ホルモンの分泌が促進され、この雄性ホルモンが皮脂分泌を増加させ・・・。 参考記事 脂っこい食べ物じゃなく炭水化物が原因?ニキビと食事の関係とは
炭水化物(糖質)はエネルギー源で身体に必要な栄養素のひとつですが、摂りすぎが皮脂過剰の原因になる男性ホルモンを分泌しやすくするんですね。
炭水化物(糖質)の摂りすぎ
炭水化物(糖質)の摂りすぎが男性ホルモンの分泌を増加させることが過剰な皮脂分泌につながることは先ほど説明しましたが、もう一つ付け加えたいことがあります。
炭水化物(糖質)をエネルギーに変えるときにビタミンB群が必要です。
ビタミンB群は、皮脂の分泌量をコントロールするという機能もあり、ほかにも皮膚・粘膜の炎症を防ぐ働きもあります。
炭水化物(糖質)の摂りすぎでビタミンB群の消費し過ぎると、皮脂のコントロールがうまくいかなくなり、過剰な皮脂分泌につながるのです。
乾燥が皮脂を過剰に分泌してしまう
過剰な皮脂がニキビの原因という事で、皮脂を取るニキビケアで思春期ニキビが良くなった人も多いと思います。
でも、大人ニキビで同じようなケアをして、良くならなかったり、逆に悪化した経験はありませんか?
ニキビは乾燥が原因になることもわかっていますが、肌は乾燥すると逆に皮脂を多く分泌するようになります。
大人になると紫外線だけでなく職場環境(クーラーなど)でも肌は乾燥しやすい状況に。
水分補給、肌への十分なうるおいケアをすることも皮脂過剰にならないために大切です。
細菌(アクネ菌)について
アクネ菌は、だれにでもいる菌です。(常在菌)
この菌は嫌気性菌のため、酸素のある環境ではほとんど増殖できず、死んでしまいます。
そのため酸素を嫌って、皮膚表面ではなく、毛穴や皮脂腺に存在し皮脂を餌に、プロピオン酸や脂肪酸を作り出すことで、皮膚表面を弱酸性に保ち、皮膚に付着する病原性の強い細菌の増殖を抑える役割を担っています。
人の皮膚にはたくさんの菌が存在し、その常在菌はお互いにバランスを保っています。
毛穴が詰まった状態で、毛穴に皮脂がたまると、これをエサにするアクネ菌が増加して炎症を伴うニキビになります。
気になるのは、遺伝子レベルで、ニキビ肌に多いアクネ菌のパターンがあるということです。⇒参考記事「皮膚常在菌「アクネ菌」の研究①アクネ菌を遺伝子レベルで分類し、ニキビ発生に大きく関わる種類を発見」
アクネ菌などが発生しやすいのも、免疫(体質)によるという意見もあり、こうしてみるとそれもそうかもしれませんね。⇒参考 肌のクリニック高円寺麹町
ニキビを悪化させない、出来にくくするには毛穴をつまらせないことが最善策といえますね。
常在菌については「常在菌のバランスが美肌のカギ!」の記事をご覧ください。
女性特有の生理前にニキビが出来やすいのは何故?
よく言われるのが、生理前だからまたニキビがぽつぽつ出来た・・・。
自分だけでなく、周りでもそういう人少なくないですよね。
これは、女性ホルモンの影響です。
女性の体内では、妊娠の準備の為に、卵胞ホルモンと呼ばれるエストロゲンと、黄体ホルモンと呼ばれるプロゲステロンの分泌量が生理周期で変動しながら生理を迎えます。
主に、ニキビに深く関係していると言われる女性ホルモンがプロゲステロン(黄体ホルモン)です。
プロゲステロンは排卵後、生理前にピークに達し、そこから減少していきます。
プロゲステロンは女性の体を守るホルモンで、妊娠をサポートする役割がありますが、ニキビの原因菌ともいわれる、アクネ菌から肌を守っている「抗菌ペプチド」の発現量を減らしてしまう働きがあることが分かっています。
このことが、「生理前にニキビが出来る」現象を招いているのです。
関連記事⇒オルビス のニキビ用クリアSが大人ニキビ肌に愛され続けるポイント
ニキビの原因を取り除くことがニキビを治す解決策に
ニキビの原因を探っていくと、遺伝(体質)による背景が大きいと言えます。
だだ、それに関わってくるのは、食生活やスキンケア。
ニキビは、ひどくなったら皮膚科で治療しましょう。
そうなる前に、スキンケアやスキンケアの方法、食生活などを見直すことで改善することはできます。
食生活の改善
食事はバランスよく摂るのが基本です。
炭水化物(糖質)がニキビの原因になることには触れましたが、炭水化物はエネルギー源で身体には必要なものです。
- 炭水化物(糖質)を摂りすぎないようにする。
- 白米だけのものから玄米などに切り替える、雑穀米やもち麦などを取り入れ、血糖値が上がりにくくしたものに変える。
- ビタミンBを積極的に摂る。
肌はたんぱく質でできていると言われます。
傷んだ皮膚を再生するにはたんぱく質は欠かせません。
ニキビの皮脂過剰を招く食事に気をつけながらビタミン類も取り入れ、総合的にバランスのよい食生活を送ることも大切です。
ターンオーバーを整える
ターンオーバーを整えることは、肌のバリア機能を高めるために大切です。
- 肌を刺激しない
- 乾燥させない
- 紫外線に注意する
- 肌にたっぷりうるおいを与える
ターンオーバーについて詳しくはターンオーバーとニキビの関係|美肌に通じるバリア機能をご覧ください。
皮脂過剰を抑制する
ビタミンB群を食事から、足りない場合はサプリを併用
ビタミンB群は、肌のターンオーバーを促進したり、皮膚の粘膜の炎症を抑えたり、また、皮脂をコントルールするなどの大切な機能があるもので、食べ物から積極的に摂りたいビタミンです。
ビタミンB群は、あらゆる種類の酵素の補酵素として働き、食べ物(糖質、脂質、タンパク質)をエネルギー源に変えるために欠かせません。
ビタミンBは、身体のなかで活性型に変えられてから、やっと働けるようになりますが、そうなるためには、ビタミンB群同士が互いに関係します。
食事から積極的に摂ることが大事ですが、足りないと感じるならサプリから摂るのもいいでしょう。
ビタミンBのサプリメントには、吸収しやすい活性型のビタミンBであったり、ビタミンB群がバランスよく含まれているものが多いので、ビタミンB不足を感じるニキビ肌の人には効率的です。
せっかく食べたビタミンB群にからだの中で効率的に働いてもらうには、ビタミンB群は単体ではなく複合体で、核酸成分も一緒に摂るのが理想的です。引用元⇒食品から摂ったビタミンB群が働けるようになるには
ビタミンB群は、水溶性で摂りすぎても尿として身体の外に出ていくので、害になることはありません。
ビタミンCをスキンケアに取り入れる
ビタミンCは、コラーゲン生成に必要なものですが、また、皮脂をコントロールします。
化粧水や美容液にビタミンCを摂り入れることで、過剰な皮脂を抑制するので、ニキビ肌にはぴったりです。
化粧水にもビタミンC入りがありますが、高濃度のビタミンC美容液を取り入れると効果的です。
関連記事⇒高濃度ビタミンC美容液 Cセラム

ニキビケアでニキビが出来にくい肌づくりをする
ニキビケア化粧品は、ニキビを治す効果効能が認められているわけではありません。
ニキビが出来やすい肌の状態を、清潔に、健康な肌の状態へ近づけるようにスキンケアをしていくことで、ニキビが出来にくい肌にする、予防することです。
ニキビは重症化すると、ニキビ跡になったり、色素沈着が残ることが多いです。
そうなる前に、なるべく初期の段階で、自分のニキビは何が原因なのかを検討をつけて、正しくケアすることは、ニキビケアの近道です。
まとめ
ニキビの原因、毛穴つまり、皮脂過剰、細菌は体質(遺伝)や食生活、間違ったスキンケアの方法などが背景にあります。
炎症を起こしたり、ひどくなったら皮膚科を受診すること。
そうなる前に、良くなるためには、初期の段階で対処、ケアすることが大切です。
全体を通して言えるのは、
- 肌に負担をかけないスキンケアで保湿をしっかりすること。
- 自分の場合食べ物が影響しているかもと思ったら食生活を改善したり、サプリメントを補助として利用する。
- 紫外線を避ける。
思春期ニキビの時に皮脂を取ることで治ったニキビも、大人ニキビではかえって悪化することがあります。
バリア機能を高めるようなスキンケアをすることを意識してみてください。
ニキビの原因が一つ一つ、解消されるにつれ、あなたのニキビ肌は改善されていきます。
